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水産工学研究所角水槽における不規則波中での操縦運動自由航走模型試験

海上輸送システム研究室 三鼓翔太

2013年8月26日〜9月20日,茨城県にある水産工学研究所の角水槽を用いて,不規則波中の船の操縦運動特性を調査するための自由航走模型試験を行いました。その概要を報告します。

近年,石油等の燃料高騰による船舶運航費削減に対する強い要望があります。従って,造船所では,燃料消費の少ない省エネ船の開発にしのぎを削ることとなります。しかしながら,風波の存在する実海域での船の操縦運動特性を精度良く予測できる理論計算法が存在しなかった上に,信頼のおけるデータの取得もなされてこなかったのが実状です。本実験では,実海域を航行する船の旋回運動やzig-zag運動等の操縦運動特性を把握し,その特徴を明らかにするとともに,研究室で開発中の理論計算法の検証データを取得することを目的とします。

平水中と不規則波中で自由航走模型試験を行いました。陸上からのリモートコントロールにより,模型船のプロペラと舵を制御し,ジグザグに走らせるzig-zag試験と,舵角一定で旋回させる旋回試験を実施しました。広島大学の水槽では,水槽幅が狭く,旋回させることができません。そこで,水産工学研究所角水槽を使わせてもらい,保針性能,旋回性能を調査しました。図1に試験で使用した模型船を載せます。長さは約3mです。

図1: 使用した模型船

図2に水産工学研究所角水槽の様子を示します。この水槽は長さ60m,幅30m,深さ3.2mあり,水槽の面積は広島大学水槽の倍以上もあります。幅が広島大学の3倍以上もあり,曳航台車がとても大きく驚きました。

図2: 長さ60m,幅25m,深さ3.2mの角水槽

図3に水槽試験の様子を示します。模型船に取り付けたプリズムをトータルステーションが自動的に追跡し,模型船の位置を計測します。模型船には,何もケーブル類がつながっていないため,自由に航走できます。

図3: 水槽試験の様子

図4には実験で使用したカタパルトを載せます。これは,船をまっすぐに発射し,初速を一定にするための装置です。調整に苦労しましたが,その有効性が確認されました。

図4: カタパルト

今回,水産工学研究所の角水槽という大学とは違った設備を利用させていただき,素晴らしい実験をすることができました。水産工学研究所の松田さん,寺田さんには長期にわたって大変お世話になりました。深くお礼申し上げます。貴重な経験をさせて頂いた安川先生,試験を手伝って頂いた平田先生,佐野先生,土橋技官,また,海上輸送システム研究室の加山さん,清水さん,網井さん,米舛さん,奥田くん,浜崎くん,松本くん,山下くんに感謝します。ありがとうございました。最後に一生懸命,試験に励む私たちの写真を載せて,終わりとします。

図5: トリミングタンクの模型船と試験に励む私(左上)