研究室TOP > TOPICS > 2016/04/18

「西部性能部会第200回記念講演会 −船の性能向上に向けて−」報告

海上輸送システム研究室(教授・西部造船会技術研究会性能部会長) 安川宏紀

西部造船会技術研究会性能部会(西部性能部会)は,平成28年4月の開催によって,記念すべき第200回目を迎えました。
そこで,第200回目の部会開催を記念して,平成28年4月18日(月),広島市の広島ガーデンパレスにおいて,講演会ならびに祝賀会を開催しました。この場をお借りして会の概要を御報告したいと思います。

西部性能部会は,昭和34年6月に第一回を開催して以来,58年にわたって,西部地区の造船所の性能に関わる学民等の情報交換の場として,また若手技術者の育成の場として,造船業の発展に寄与してきました。近年では,EEDIの動きに見られますように,環境に優しくエコでかつ安全な船が望まれており,西部性能部会のプラットフォームとしての役割は増すばかりであると考えています。

次に,講演会のスケジュールを示します。

13:30〜13:40  開会の挨拶 (西部造船会技術研究会性能部会長 安川宏紀)

13:40〜14:00  西部性能部会の歴史 (九州大学 古川芳孝)

14:00〜15:25  Super Eco Shipの成果と展望 −電気推進内航船の未来− (スーパーエコシップ研究会代表 土井征一カ)

15:25〜15:40  休憩

15:40〜16:40  CFRP製プロペラについて 〜一般商船への挑戦!〜 (ナカシマプロペラ 山磨敏夫)

16:40〜17:40  これからの舶用エンジンについて (マンディーゼルアンドターボ日本 杉浦公彦)

開会の挨拶の後,西部造船会の歴史について,九州大学古川先生から講演をしていただきました(図1)。58年間も続いている研究部会の重みを感じることができました。

図1: 九州大学・古川芳孝先生

続いて,将来の高性能な船はどのようなものになるのか,船体,推進器,主機に関する最新技術を御紹介いただきました。講師は,スーパーエコシップ研究会代表土井征一カ氏です(図2)。スーパーエコシップの研究は,内航船向けの技術開発として進められました。しかし,開発された技術は,内航船に限ったものではなく,特に電気推進技術をベースに,新しい船の可能性を示唆したものでした。船の性能向上は,一朝一夕には進みませんが,アイデア次第ではまだまだいろいろな可能性があるように感じました。なお,講演で用いた資料をこちら(スーパーエコシップの成果と展望 [PDF] に添付します。

図2: スーパーエコシップ研究会代表の土井征一カ氏

次の講師は,ナカシマプロペラの山磨敏夫氏です(図3)。新しい材料CFRPによるプロペラの話しでした。プロペラと言えば,ブロンズ系の材料が思い浮かびますが,ナカシマプロペラは,CFRPを採用することにより,軽量かつ高性能なプロペラを世界に先駆けて開発しました。既に,実船にも採用されています。大型化や低価格化等が今後の課題ですが,プロペラの世界も大きなブレークスルーの波が来ていることを感じました。なお,講演で用いた資料をこちら(CFRP製プロペラについて [PDF] に添付します。

図3: ナカシマプロペラ・山磨敏夫氏

最後の講師は,マンディーゼルアンドターボ日本の杉浦公彦氏です(図4)。主機に関連した最新の技術の話をしていただきました。NOx規制への対応,CO2削減への努力等,懸命な技術開発の様子を知ることができました。なお,講演で用いた資料をこちら(舶用低速ディーゼルについて [PDF] に添付します。

図4: マンディーゼルアンドターボ日本・杉浦公彦氏

講演会の後には,祝賀会を開催しました。日本船舶海洋工学会の原寿会長,前部会長の貴島勝郎先生(九州大学名誉教授),小瀬邦治先生(広島大学名誉教授),新開明二先生(九州大学名誉教授)もお呼びし,和気藹々とした中,昔話で盛り上がりました。以下に,祝賀会での写真を載せます(図5〜図9)。これからも西部性能部会での活動を通じて,日本造船界の発展に貢献して行きたいと思っています。

図5: 安川による開会のご挨拶

図6: 日本船舶海洋工学会・原寿会長による来賓挨拶

図7: 九州大学名誉教授・貴島勝郎先生による来賓スピーチ

図8: 広島大学名誉教授・小瀬邦治先生による来賓スピーチ

図9: 内海造船・冨岡一敏設計本部長による御挨拶

最後に,会の準備・設営等にあたっては,内海造船の方々に大変お世話になりました。この場をお借りして,お礼申し上げます。