Circular Motion Testについて

Circular Motion Test(CMT)とは模型船を拘束して強制運動させる拘束模型試験の一種で,旋回装置を用いて円(円弧)運動させ,その時,船体に働く力を計測することによって,操縦流体力を求め,操縦性能を推定します。通常は角水槽を使用し,水槽中央部に固定された回転軸を中心に腕を回転させるか,XY電車を制御して円運動をさせます。前者の旋回腕型は九州大学にあり,平成17年度の卒業論文「制限水域におけるプッシャー・バージの流体特性に関する研究」で使用させていただきました。後者は,多くの研究所が保有しており,CMTでは有りませんが,水産工学研究所海洋工学総合実験棟は,同じ年の「広島湾カキ筏の耐波浪性能向上に関する研究」で使用させていただきました。

広島大学には,角水槽はなく,長さ100m,幅8mの曳航水槽しか保有していませんが,水槽の長手方向に動く曳航電車に,横方向に動く副電車が付いており,軸を回転させることができます。平成13年度の卒業論文で,それらをコンピュータ制御するプログラムを作成し,14年度に改良して,性能を向上させ,円弧高さ3〜4mの円弧運動で,CMTを実施しています。CMTの動画こちら(要Windows Media Player)

広島大学のCMTの特徴は,なんと言っても,半径の大きな円弧運動ができることです。通常,無次元回頭角速度r'=0(直進)と±0.1, 0.2で実験しており,斜航(直進)試験とCMTで装置を変更する必要がありません。旋回腕型では,腕の長さで回転半径の上限が決まってしまいますし,斜航試験は別の装置で行う必要があります。


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