本寄附講座のご紹介
広島大学大学院先進理工系科学研究科の輸送・環境システムプログラムは,本学の機械系 (工学部の現第一類) の4つのプログラム (=学科) の1つですが,そのルーツは戦前からの造船学科にあり,多くの優れた造船技術者を輩出し,世界をリードした日本の造船業を支えた歴史があります。しかし,造船業は「世界一の地位を築いた後,新興国に追い抜かれ,衰退する」というパターンの先駆けとなった産業です。
その後,テレビ,半導体,パソコン,太陽光パネル,リチウムイオン電池など,同じ道をたどった産業は多く,日本の製造業が抱える根本的な課題は未解決と云わざるを得ません。
勿論,日本でも,これまでに多くの製造業活性化策が講じられてきましたが,多くは実効性に乏しく,昨今,日本の経済力には陰りも見えています。しかし,製造業は経済の根幹を成すとの認識が広まりつつあります。本寄附講座の応募者は,機械学会のフィロソフィ懇話会において,日本の製造業が抱える課題についての議論を続けてきました。そして,今こそ,将来性のある技術の萌芽を抽出し,丁寧に育成したいと考え,今回,住友電工グループ社会貢献基金様のお力添えを頂くことができ,本講座の開設に至りました。
本講座は,材料の複合化プロセスの技術革新を促進し,社会を陰で支えることを目指します。ただ,注目度の高い最先端分野とは一線を画し,どちらかというと,古典的な既存の技術 (CFRP,電着,溶接・接合,レーザーなど) をしっかりと見直し,深く掘り下げることにより,将来技術の種を見出し,育みたいと考えています。つまり,技術の温故知新こそが技術革新の本質ではないかという強い思いを基礎とします。
そして,住友の事業精神の通り,信用を第一に,決して浮利を追わず,万事入精に研究開発を進め,若者が将来を託したいと感じる技術の創出を試みたいと思います。
また,北海道大学,金沢大学,大阪産業技術研究所や民間企業の方々と協働し,航空宇宙分野を中心として様々な応用展開を図り,あらゆる分野に波及する革新的な材料や構造を提案させて頂きたいと考えております。
(→ TOPに戻る)


