RTK-GPS による運動計測

 海上保安大学校の練習船「こじま」の来島海峡通峡時の位置計測を RealTime Kinematic GPS (以下 RTK-GPS)を用いて行った。 GPS基準局は馬島にある工事中の来島大橋主塔(6P)に設置した。
基準局のGPSアンテナ補正情報送信用モデム
 基準局の位置は WGS-84 座標系で 北緯 34 度 7 分 8.985 秒, 東経 132 度 59 分 41.515 秒, 楕円体高 225.37m である。 基準局に使用した GPS 受信機は Trimble 4000SSi で, 補正情報の送信には八重洲の 400MHz 帯の特定小電力送信機を使用した。 「こじま」にも Trimble 4000SSi を船首, 船尾と両舷に設置し, 後処理タイプの Kinematic GPS を行い, 両舷では基準局から補正情報を受信して RTK-GPS も行った。
西水道南航(逆潮)
 航路は通常右側航行であるが, 来島海峡では国際航路で唯一の 「順中逆西」という特殊ルールを採用している。 これは順潮時は中水道, 逆潮時は西水道を航行するというもので, 南流時は左側航行になるため海峡の出入り口で航路が交差する。
中水道北航(順潮)
 来島海峡は潮流の速さが最高 10knot 近くに達し, しかも, 流れが複雑なため, 操船が非常に困難である。また, 大小様々な船が頻繁に行き交う交通の難所として有名で, 海難事故も多数発生している。