最大300人収容可能な浮函型津波シェルターの開発
造船・浮桟橋メーカーの常石鉄工株式会社が本学(当研究室の陸田秀実准教授の研究グループ)と共同で,最大300人収容可能な浮函型の津波シェルターを開発しました。
今回開発されたこのシェルターは,標準タイプで長さ20m,幅7.5m,高さ3mで,世界最大級の製品です(2013年1月現在,重さは80~100t)。造船技術(船体ブロック技術)を生かし,ユニット化したブロックを現地で組み立てます。また,ドアは内側から手動で閉めるハッチ構造になっており,自力避難できない人をベッドごと搬入できるよう設計されています。
なお,このシェルターは箱型形状ですが,壁面は津波の衝撃を緩和するために斜めにした台形の外観であり,底部は浮力を得るために双胴型になっています。この形状は,本学の試験水槽にて1/75の模型で実験を行い,波高や流速を計測して得られた結果に基づいています。大津波に襲われた際はシェルターごと浮遊しますが,漂流しないように係留チェーンであらかじめ固定し,10mの水圧にも耐えられる構造になっています。
このシェルターは設置場所が自治体や病院など,住民が迅速に高台へ避難することが困難な場所が想定されています。詳細は,常石鉄工株式会社のプレスリリース [PDF] および下記の動画(YouTube),ならびに新聞各紙の報道記事を御覧下さい。
※ 報道記事: 毎日新聞(2013年1月10日付け記事),中国新聞(2013年1月11日付け記事),山陽新聞,日刊工業新聞,他