研究室TOP > TOPICS > 2011/05/13

GPSによる広島大学練習船「豊潮丸」の運動計測

輸送・環境システム総合工学研究室 浮田寛之

2009年11月19,20日および2011年5月13日に,広島大学生物生産学部が所有する練習船「豊潮丸」に乗船し,運動計測を行うための海上試験を行ってきました。下の写真に写っているのが豊潮丸です。この船は全長約40mで,観測を行うための様々な機器を積んでいます。最も特徴的な点は,電気によって駆動する最新式の推進・操舵システム,POD推進器を搭載していることです。今回は,そのPOD推進器を搭載した船舶の運動特性に関する研究の一環として,研究室保有のGPSを船に搭載し,旋回運動やzig-zag運動等の計測を行いました。当日の天候は晴れ,風波の少ない試験に適したものでした。

「豊潮丸」の外観

「豊潮丸」の主要目は次の通りです。

船種: 汽船・漁船(第3種)   全長: 40.50m

垂線間長(Lpp): 35.50m   型幅(Bmld): 8.5m   型深(Dmld): 3.7m

総トン数: 256.00t   航海速力: 10.5kt   最大搭載人員: 合計32名

下の左の写真は試験時の操舵室の様子です。「豊潮丸」の乗組員,操舵の指令を行う試験隊長(浮田本人です),そして各種データを記録する試験助手役の学生達です。操舵室が人で一杯になっているのが分かります。計測は無事終了しました。

試験は宮島の近海で実施しました。試験中,そこで潜水艦に乗った海上自衛隊の方々に遭遇しました。試験が終わった後は,みんな船乗りになった気分でした。今回この航海は,朝から夕方まで丸一日行われたため,船酔いや疲れを感じた人もいたようです。しかしこの航海を通して,初めての海上試験に対する新鮮さを感じ,研究者としての興味深い経験を得ることができたと思います。

操舵室における計測の様子

潜水艦に乗った海上自衛隊の方々

実施した実船試験結果は,水槽試験やシミュレーション計算等を追加して,私の修士論文として,とりまとめる予定です。最後に,御指導頂いた安川先生,平田先生,田中進先生,濱田先生,佐野先生にお礼申し上げます。また,実船計測でお手伝い頂いた海上輸送システム研究室ならびに輸送・環境システム総合工学研究室の方々にお礼申し上げます。

最後に記念撮影。前列左から4番目が浮田本人(試験隊長)です。