国際学会OMAse2016への出席報告
海上輸送システム研究室 白井正幸
2016年11月7日,8日にマレーシアトレンガヌ大学で行われた海洋,機械,航空宇宙に関する国際会議(International Conference on Ocean, Mechanical & Aerospace - Scientists & Engineers; OMAse2016)に参加しました。参加したメンバーは,安川宏紀先生,元社会人ドクターで西日本流体技研の橋詰泰久さんに加え,同じ海上輸送システム研究室の修士一年である,筆者の白井正幸と作野崚哉,伊藤有紗,濱口友宏の三人でした。OMAse2016では,現地をはじめとし,様々な国の先生方や学生が集まり,海洋工学,機械工学,空気力学などについて研究発表を行いました。私たちも船について発表を行いました。
安川宏紀先生はキーノート・スピーカーとしてOMAse参加者全員の前でプレゼンテーションを行いました。プレゼンテーションの題目は「Development of a Double-Ended Ferry with Electric Propulsion System “Sakurajima-Maru”」であり,現在も鹿児島県で運用されている「桜島丸」についての発表でした。両頭型電気推進船である「桜島丸」の環境への影響や船の操縦運動について,船に関する知識がない人でもわかりやすい発表をされていました。
発表後の安川宏紀先生(左)
次に,修士一年の伊藤有紗が「Experimental Study on Rudder Forces of a Full Hull Ship in Shallow Water」という題名で発表を行いました。発表内容は船が浅水域を航行するときの舵力についての発表でした。実際に広島大学で行われた浅水域での拘束模型試験の結果を主に,舵力の変化について議論しました。
伊藤有紗の発表の様子
作野崚哉は「Turning Simulation of a Pure Car Carrier Taking the Roll Coupling Effect into Account」という題名で発表を行いました。自動車運搬船についてロール運動が旋回性能にどのような影響を及ぼすかを実験結果とシミュレーション結果を比較して議論しました。
作野崚哉の発表の様子
筆者である私,白井正幸は「Maneuvering Motion of a Full Hull Ship in Irregular Waves」という題名で発表を行いました。内容は実海域に近い不規則波中と水槽試験が行われることの多い平水中での船の操縦運動の違いについて議論しました。
白井正幸(筆者)の発表の様子
濱口友宏は「Maneuvering Simulation of Pusher-Barge Systems in Uniform River Flow」という題名で発表を行いました。発表内容は,プッシャーバージと呼ばれる押し船(プッシャー)がはしけ(バージ)を押すことによって航海する船の操縦運動についてのものでした。
濱口友宏の発表の様子
私自身,初めての海外であったため国際学会に不安を抱いていました。しかし,現地の人たちに丁寧に英語で話をしてもらったり,食事に誘ってもらうなど,親切に接していただきました。また,船に関する知識だけではなく,日本とは違った文化や英語の大切さを学ぶなど,様々な経験をすることができました。この経験を残りの学生生活や社会を出てからも生かしたいと思います。
なお,詳しい情報は,こちら(マレーシアでの国際会議のあしあと・・・ [PDF] )を御覧下さい。