国際学会 第9回ICGH(デンバー)参加報告
海上輸送システム研究室 福島正典
私は,2017年6月25日~30日にアメリカのコロラド州デンバー市,デンバーマリオットシティセンターで開催されたICGH9-2017(第9回ガスハイドレート国際会議)に出席しました。会議が行われたデンバーはロッキー山脈の東の麓に位置しており,デンバー郊外にはハイドレート研究で世界的に著名なSloan教授がおられるコロラド鉱山大学があります。
発表会場(デンバー中心部,写真左のビル)
デンバー郊外(会議4日目のバスツアーにて)
この会議では口頭発表166件,ポスター発表405件が5日間にわたり行われました。この会議は3年に1度開催され,ハイドレートの基礎物性(最新の実験やコンピュータ計算)から極地フィールド調査,メタンハイドレート開発およびCO2への置換,フローアシュアランス(管内でハイドレートが生成することによる閉塞トラブル防止),ハイドレートの機能活用(ガス貯蔵・輸送,海水淡水化,CO2分離・回収,冷房空調など)に至るまで非常に幅広く議論される学際的な会議です。
私はフローアシュアランスおよびハイドレート機能活用についての口頭発表・ポスター発表を聞きました。普段の研究では学ぶことのできない多くの研究発表を聞くことができました。その中でも,大水深海域で産出された天然ガスを海底でハイドレート化し,コンテナで輸送するという研究が一番印象に残っています。またポスター発表では,多国の研究者の方と,研究分野や研究内容などについて会話をすることができました。
私は会議の5日目に「Numerical Study on Methane Hydrate Crystallization in a Stirred Tank Reactor」というタイトルでポスター発表をしました。本発表では攪拌式生成槽を用いて産出ガスをハイドレート化する場合の,ハイドレート生成槽内における結晶成長シミュレーション計算の検証結果と,計算で得られた結晶成長促進に関わる知見を示しました。ポスター発表のコアタイムは午前2時間,午後2時間の計4時間でした。英語での発表と質問の受け答えに必死だったのであっという間に感じました。発表では,結晶周りのメタン濃度の数値計算法,計算における攪拌式リアクターの要目,メタンハイドレート生成条件などについて質問をいただきました。質問に対して,用意していた座標系や方程式などの資料とジェスチャーを使って,何とか回答することができました。
ポスター発表の様子
デンバー滞在中は,デンバーで数多く放牧されているバッファローの肉で作ったハンバーガー,種類が豊富なサラダ料理,ロッキー山脈から湧き出る美味しい水を使った地ビールなど,デンバーの食文化に触れることができました。
バッファローのバーガー
ダウンタウンのレストランにて
今回の国際学会に参加し,ハイドレートに関する知識だけではなく,日本と異なる文化や英語の大切さを学ぶなど,様々な経験することができました。この経験を残りの学生生活や社会に出てからも活かしていきたいと思います。最後に今回このような貴重な経験する機会を与えてくださった田中先生に深く感謝いたします。