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ばら積み貨物船(YBC)の操縦性に関する水槽試験報告

海上輸送システム研究室 佐藤史康

2025年9月1日~9月12日に茨城県神栖市にある水産技術研究所で水槽試験を実施しました。ばら積み貨物船(YBC)を対象に,旋回試験,Zig-Zag試験,stopping試験といった基本的な試験だけでなく,船首に取り付けられた横向きに推力を出す装置であるバウスラスタと舵を併用したその場旋回試験などを行いました。

ここでは今回の試験の最難関であった離着桟操船試験についてお伝えします。離着岸操船試験とは,水槽の壁面付近に桟橋模型を設置し,他方の桟橋模型に着桟するような操船をマニュアル操作で行い,その試験中に作用する運動を計測する試験です。YBC模型船が桟橋模型に着桟する様子を図1に示します。この試験は航路だけでなくプロペラやバウスラスタの回転数,舵の切り具合などすべての操作が「プロポ係」と呼ばれる模型船をコントローラーで操作する係に一任されています。そのため納得のいく離着桟のデータを取るまで桟橋模型に近づくときのYBCと桟橋模型との角度やプロペラ・バウスラスタの回転を止めるタイミングなどをこまめに修正していきました。プロポ係がYBC模型船を操作している様子を図2に示します。私はプロポ係ではないので操作しない側からわかることをプロポ係にアドバイスしようと思っていたのですが,データ計測・整理が忙しくなにもアドバイスできず悔しい思いをしました。今後,違う模型船で離着桟操船試験があるときには,今回の試験で得られたデータをもとに解析を行い,そこから見えてくる離着桟操船時のYBC模型船の運動原理をプロポ係に伝えたいです。

図1: YBC模型が桟橋模型に着桟する様子

図2: YBC模型を操作するプロポ係の後ろ姿

今回の実験では,シャフト部分からの浸水やプロペラの回転数不足,バッテリーダウンなど,不測の事態が多々発生しました。私は初めてのことが多く,どう対処すればいいのかわからずあたふたしていましたが,水産技術研究所の職員の方々,安川先生,修士の先輩方の力を借りることで,問題を解決し無事に実験を終わらせることができました。この場を借りてお礼申し上げます。

次に,水技研遠征の楽しみについてご紹介します。実験中は,紹介した「プロポ係」だけでなく,実験指示を他の係に伝え,計測データの収集を行う「隊長」,隊長の指示通りに模型船を水槽に打ち出す「カタパルト係」の3つが協力して実験を進めていきます。実験をスムーズに進めていくためにはこの3つのチームワークが大切になります。私たちはチームワークを高めるべく,遠征中のほとんどの食事を共にしてコミュニケーションをとるようにしています。その食事で出たごみ(弁当の空き箱等)を持って帰ることにしていますが,じゃんけんで負けた人が一人で全部持って帰るのが本研究室での決まり(文化?)であり,このじゃんけんが毎回白熱して面白いです。じゃんけん参加者(総勢6人)はごみを持ち帰りたくないので真剣であり,先輩後輩の垣根を越えて盛り上がります。ちなみに私は10日滞在のうち5日持って帰るほどじゃんけんが弱いです。また,食事そのものも水技研遠征の楽しみの一つです。普段の生活では食べる機会の少ない新鮮な魚を出してくれる地元のお店が銚子周辺(遠征中の滞在ホテルの場所)に沢山あり,どこもおいしいです。その中でも,魚料理の店ではありませんが,銚子市のはずれにあるアメリカ料理「プれンティ」で食べたパフェはびっくりするほど大きくて驚きました。そこで「プれンティ」のパフェの写真(図3)をのせてこの報告の締めとします。なお,私はパフェ半分食べるのがやっとでしたが,先輩方は一人一本ペロリと食べていました。

図3: 「プれンティ」名物のパフェ